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銃剣道怪我発生率

銃剣道は極めて怪我の少ない競技です。
それは、全日本銃剣道連盟の機関誌「剣の心 第61号」の次の記事によっても解ります。


最近の全国大会における怪我・傷害等の状況について
(公社)全日本銃剣道連盟医学・安全委員会  委員長  鈴木 健

医学・安全委員会では、平成26年に実施された銃剣道・短剣道の全国大会における怪我・傷害等について、統計的分析を行いました。以下その状況について述べたいと思います。修行や指導の参考にしていただければ幸いです。

■全般
今回は、26年に開催の7つの大会に出場した計3074名の選手のうち、大会開催中に医務室等に受診した件数を対象としました。総受診件数18件、怪我発生率は0.58%でした。(表1参照)

■大会毎の特性について
大会毎での受診件数は、最多が高校生大会の7件、次に錬成大会(4件)、国体(3件)と続きます。高校生大会と錬成大会で全体の61%(18件中11件)と過半数を超える状況で、高校生以下の若年者に怪我が多く発生していることが伺えます。ちなみに、受診件数は、選手権大会では0件、優勝大会では1件と、熟達者になるほど怪我の発生が少なくなっています。(表1参照)

■負傷部位・病名の分析について
負傷部位は、下肢が61%(18件中11件)と最も多く、その中でも、銃剣道の蹴り足である右足が大半を占めていました。また、傷病名は、擦過傷50%(18件中9件)、打撲と筋肉負傷が各22%(18件中4件)でした。(表2参照)
高校生大会は、7月末に気温30度を超える中、冷暖房装置の無い体育館で実施されましたが、熱中症関連の症状発生は全くありませんでした。これは、選手はもとより、指導者の安全管理意識と対策の賜物であり、敬意を表します。

■怪我の程度について
怪我の程度は、軽症が89%(18件中16件)でした。これは、全体の怪我発生率0.58%とあいまって、銃剣道が極めて怪我の少ない競技であることを証明しています。しかしながら、短剣道大会のアキレス腱断裂は3ヶ月の重症であり、極めて残念でした。(表2参照)

■まとめ
今回の分析により、銃剣道・短剣道に関する怪我・傷害の大まかな傾向を把握することができました。今後は、更に詳細なデータを収集するとともに、怪我・傷害の根絶のためのより有効な対応策の確立を目指して努力を続ける所存です。

【参照表1・2】
(※ 剣の心 第61号 より)